上司から「新規事業で新しく売上、顧客を作るように」と指示があったとします。
新規事業向けのアプリ開発ができれば顧客にアピール出来て、売上が伸びて、会計システムに連携してユーザー情報、購入情報が自動で計算されてチェック機能もあり、経理担当がいらなくなって人件費も削減ができると思っていませんか?
アプリ開発は全てを解決できる魔法ではないので、プロジェクトの失敗に繋がります。
「これは顧客が使ってくれるはずだ」という思いで作ったアプリが開発リリース後、誰にも使われないアプリとなりサービス終了、開発費用だけが残った、というのは笑えない話です。
現在アプリ開発の企画を練っているという方は参考にしてみてください。
結論、どんな新規事業もアプリだけでは100%失敗します。
アプリはあくまで「手段」となり、いわば戦術です。
ビジネスにおいて
「誰の」
「どんな問題を」
「どのように解決するか」
戦略としてどこに向かってゴールを進めるか?をアプリ開発の前に作り込む必要があります。
ビジネスモデルとして落とし込むと
「どこの市場を選択して戦っていくか」
「似たようなサービスがある中で自社の特徴、強みは何か」
「顧客・案件の獲得をどうやっていくか」
「顧客の維持はどうするか」
「どのような価値提供をしていくか」
上記の内容を練った上で仕組み化することが重要です。
必要に応じてビジネスフレームワークである「PEST分析」「SWOT分析」「3C分析」「バリュープロポジション」「ビジネスモデルキャンバス」などの利用も有効です。
「なぜアプリが必要なのか」言語化できていますか?
「利用者数が多いから、みんな使ってくれるはず」だけでは説明になりません。
いくつもあるアプリの中で、なぜあなたのアプリが顧客、関係者が使ってくれるのか?を深く考えてみましょう。
ベンチャー、中小企業をイメージしたケーススタディを用意しました。
Uber Eatsのビジネスモデルは顧客・飲食店・配送員を繋ぐ出前サービスです。
あなたはケーキ店を運営していて、他のケーキ店と協力してUber Eatsのようなケーキ出前ビジネスを考えたとします。
すぐにアプリ化しようとする前に以下の内容を考えてみましょう。
ケーキを出前で食べたいと思う人は誰なのか?
年齢は?
性別は?
共働きか?一人暮らしか?
子育て中なのか?シングルか?
どんな状況とタイミング(時間帯)にケーキを食べたいのだろう?
Uber Eatsを使わずにあなたのサービスを利用する理由は何なのか?
手数料が安いのか?
あなたのシステムを利用する理由はどこにあるのか?
Uber Eatsよりも収入が良いのか?
なぜUber Eatsではなくあなたのシステムを利用するのか?
すでに認知、システムとして使いやすいUber Eatsを使わずに、あなたのサービスを利用する理由はなんなのか。
市場ニーズがある、Uber Eatsはケーキ配送していない、スイーツ系に強くないという場合は、Uber Eatsがニーズがあると認識すれば、市場参入してくる可能性があります。
顧客のニーズがあるか調査、仮説検証しましょう。
「自社でケーキが売れているからこのサービスもニーズがあるはずだ」という思い込みは危険です(似たような思い込みはよく発生します)
直接ケーキを買ってくれている顧客に自宅へ届けるニーズがあるかプロトタイプとして配送サービスを売ってみましょう。
サービスを買ってくれる顧客がいたら、まずは自分たちで直接配送してみるのです。
顧客の6~7割がそのニーズがあり、サービスの対価として実際お金を払ってくれるのであれば可能性がありますので、そこではじめてサービス化検討となります。
ニーズがあることが確認後、すぐにアプリ化しないこと。
アプリ開発には費用が大きくかかり、アプリリリース後もOSのバージョンアップ、不具合修正などの運用コストがかかります。
代替え手段として、LINEやメール、安価なSaasサービスなどの利用ができないか検討してみる。
人力工数はかかりますが、誰にも使われないアプリを作るより工数とお金がかかりませんので代替え手段がないか考えてみましょう。
顧客が使ってくれて、市場ニーズも分かって、代替手段ではもうさばききれないということが分かってから、はじめてアプリ開発の検討となります。
アプリ開発する費用がどれくらいで回収できるのか、投資対効果を考えましょう。
アプリ開発には費用と工数、期間がかかることを理解してください。
アプリ開発が社内で出来なくてもシステム開発企業へ丸投げは失敗します。
なぜなら、どのようなサービスでどのような機能が必要なのか?は依頼するシステム開発企業はあなたより理解していないからです。
サービスや必要機能を理解しているのは発注企業側ですので、サービスの理解とシステムを理解している社内メンバーが必要です。
社内にそのようなメンバーがいない場合はITコンサルできるシステム開発企業へ依頼することもできますが、大きな費用となることは認識しておきましょう。
こちらも参考にしてください。
ベンチャー、中小企業をイメージした例を記載しましたが、顕在ニーズがすでにあってアプリ開発にすぐにでも着手するということもあります。
自社はどのようなフェーズにいて、次のアクションは何をするのか?ということを考えていきましょう。
なぜアプリが必要なのか?アプリ開発が全てを解決する魔法ではない、あくまで手段であるということを理解しておいてください。
当社ではスマホアプリ開発、ゲーム開発、Webシステムを得意としております。
アプリ開発前のお悩みにもご相談、解決することもできますので、何かお困りのことがありましたらお気軽にご連絡ください。