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59歳ベテランエンジニアに聞く【制御系からクラウドまで“仕事を楽しむ”極意】

【インタビューT.I.さん(59歳)】

■プロフィール・キャリア編

Q: まずは簡単に自己紹介をお願いできますか?
A:T.I.さん
「はい。現在59歳で、これまで制御系システムを中心に、たとえば車載の4WSやダムのゲート制御、それに金融表示ボードやUSB FPDドライバーなど、いろんな開発を経験してきました。ECサイトの運営から物流倉庫の入出庫管理システム、販売管理システムの導入支援まで、幅広く携わっています。
言語はアセンブラ(4~32ビット)やC、C++、BASIC、VBA、Java、Perl、PL/SQL、.NET、COBOLなど…とにかくいろいろ触ってきましたね。ネットワーク構築やEDI連携の回線手配なんかもやっていたので、独立系のソフトハウスにいたおかげでいろんな技術を身につけられたと思います。」


■現在の業務・使っている技術

Q: 現在のお仕事の内容を教えてください。
A:T.I.さん
「今は、システムのリプレイス案件に携わっています。もともとスクラッチ開発されていた社内システムをSalesforceに移行する計画で、データ構造の差異をMuleSoftで吸収する形ですね。本当は既存データの整理・最適化も考えてたんですが、接続先が多くて影響範囲が大きいので、まずは既存DBをそのままにして移行をスムーズに進めよう、という判断になりました。」

Q: そのプロジェクトで新しく学んだことや、どう活かしているかなどあれば教えてください。
A:T.I.さん
SalesforceやMuleSoftを使った構築は、世界的に利用されているクラウドサービスというのもあって、新しい考え方や手法が学べます。今回の案件は、今後の他システムにも横展開できるモデルとして進めていて、ここで得た知識やノウハウは将来のプロジェクトに役立つと確信してますね。」


■仕事への向き合い方・スケジュール

Q: いろんな環境で働くメリットやデメリットはありますか?
A:T.I.さん
「メリットはやっぱり、多様な業界や業務に触れられることですね。ダムの制御をやったおかげで、水道業界の方と話すときも話題に困らないとか、普段ならあまり関わらない分野の知識が得られたり。デメリットらしいデメリットはあまり感じたことがないですね。むしろ、色んな業界に首を突っ込むのが面白いタイプなんでしょう(笑)。」

Q: 1日のスケジュールや進め方はどんな感じですか?
A:T.I.さん
「リプレイス案件では、フロントや連携部分を別のベンダーが担当していて、こちらは既存システムの調査や解析をメインで行っています。課題はBacklogで管理していて、遅れると製造側にも影響が出るので素早く回答しないといけません。
進捗管理は週1回の定例会でWBSを確認しながら、チーム全員の作業状況を共有しています。私はリモート勤務がメインなので、自己管理をしっかりして、タスクをきちんとこなす感じですね。」

Q: エンジニアとして「面白い」と思う瞬間はどんなときですか?
A:T.I.さん
「やっぱり、“モノづくり”ってところですかね。ソフトウェアって目に見えない部分もあるけど、自分が書いたプログラムが動いて、作業効率が上がったり、ユーザーさんに喜ばれたりすると本当に嬉しい。リリースまではいろいろ苦労も多いですけど、それを上回る達成感がありますね。」


■チームの雰囲気・他部門との連携

Q: クライアント先のチーム体制や雰囲気はどうでしょう?
A:T.I.さん
「社員さんが4名で、外注が5名います。私を含めて2名が要件定義~上流工程をやって、残り3名はテストチーム。社員さんは出社することが多いけれど、外注組は基本リモートです。
コミュニケーションはほぼTeamsで済ませて、文字だけでは伝わりにくいときはリモート会議をします。週次定例では全員参加で進捗確認をするんですけど、“一人で悩まず相談しやすい”雰囲気なので助かりますよ。」

Q: 他部署や他のエンジニアとの関わり方は?
A:T.I.さん
「利用部門が先頭に立って進めるプロジェクトで、情シスはサポート役ですね。毎週木曜の午後はみんなで対面会議をして、大きな課題を一気に解消します。今は製造フェーズだけど、少し経つとテスト工程が始まるので、情シスや各部署との連携がより重要になると思います。」


■成長・チャレンジ

Q: 今まで経験してきて、一番成長を感じたことは何でしょう?
A:T.I.さん
「最近だとノーコード/ローコードのプロジェクトに関わったり、アジャイル型の進め方を一部取り入れたり。ウォーターフォールばかりやってきたので、新鮮ですし勉強になってます。システム経験者じゃないとわからない箇所をサポートしたり、利用部門の方々の話をちゃんと聞いてプロジェクトのリスクを早めに回避したりする役割を任されるようになって、頼りにされてるなって実感しますね。」

Q: 印象に残っているチャレンジや苦労はありますか?
A:T.I.さん
「“デスマーチ”って言われる案件は数え切れないほどやってきました(笑)。あと2ヶ月あればもっと良いシステムを作れたのに…みたいな後悔も多いですよ。でも諦めずに一つずつ解決策を試すことでしか乗り越えられないですし、そうやって地道にやってると周りも協力してくれるようになるんです。失敗や苦労を重ねるうちに、問題が大きくなる前に対策を打てるようになってきたのは大きいですね。」


■ワークライフバランス・働き方

Q: ワークライフバランスが良いと感じる点は?
A:T.I.さん
「今の会社では残業がほとんどなく、リモート勤務なので、通勤時間もかからないし、プライベートを充実させやすいです。週に3回はジムへ行ける余裕がありますし、自分でいろいろ工夫しなくても心身の安定を保ちやすい環境ですね。」

Q: リモートワークでのオンオフ切り替えはどうやってますか?
A:T.I.さん
「通勤がないと時間の境目が曖昧になりやすいんですよね。だから、タイムスケジュールをきっちり決めて習慣化してます。仕事が終わったら頭をオフにして、週末は趣味の旅行に行ったり。メリハリをつけることで、月曜からまたフル稼働できる体調を作るように心がけています。」


■印象深い壁・成功体験

Q: 今のプロジェクトで一番苦労したことは?
A:T.I.さん
「要件定義のときにドキュメントがまったく整理されていなかったのは本当に大変でしたね。古い資料や未更新の仕様書があって、“どれが最新だ?”と探し回るばかり。最終的にはソースコードのコメントに頼る部分も多かったです。
ただ、利用者は1000人以上いる大規模システムなので、これからデータ移行やテストが本格化するんですよ。リリースは年の後半に予定しているので、今のうちにしっかり準備してトラブルを減らしたいですね。」

Q: その壁を乗り越えて得た学びって何ですか?
A:T.I.さん
「やっぱり過去の経験が大いに役立ちましたし、チームの協力体制はすごく大切だとあらためて感じました。一人で抱え込まないほうが解決は早い。でも、人頼みになるのも成長できないから、ある程度は自分で調べて方針を立ててから相談する。そうすれば的確なアドバイスももらえますし。結果として自分も知識が深まるし、チーム全体の信頼感も高まります。」

Q: 一番うれしかった成功体験は?
A:T.I.さん
「“自分はファーストユーザー”って言葉をモットーにしていて、要するに、“自分が使いにくいものは、他の人からすればもっと使いにくい”って考えです。だから、できるだけ使いやすいシステムを作ろうと努力するんです。予算や納期は限られてますけど、その中で最大限やりくりして納品し、お客さんから『いいシステムを作ってくれてありがとう』と言われたときは本当にうれしいですね。それが次のモチベーションにもつながります。」


■今後の展望・求職者へのメッセージ

Q: これからやってみたいこと、身につけたいスキルは何かありますか?
A:T.I.さん
「正直、興味が広すぎてなかなか絞れないんですよね。物流だとか、金融だとか、目に見えるモノと見えないモノと、それぞれ課題も違ってどれも面白い。1つの業種にとどまらず、いろんな案件にチャレンジできる環境で働きたいと思ってます。」

Q: 将来のキャリア形成はどう考えてますか?
A:T.I.さん
「年齢的にマネージャー職が普通かもしれませんが、現場にこだわりたいですね。やっぱりモノづくりをするのが好きなので。もちろん、リーダーになっても先頭で現場を引っ張っていく形で。過去に失敗した経験も資産だと思うので、それを次に活かしていきたいですし、後輩にもシェアできたらいいなと思ってます。」


■最後に、応募を検討している方へメッセージ

Q: 事前に準備しておいたほうがいいことはありますか?
A:T.I.さん
「一言でいうと、コミュニケーション力相手を想像する力がすごく大事。どんなに最新技術を使っても、クライアントの課題を解決できないと意味がないんです。エンジニアって、実は結果だけじゃなくて、要望を聞き出して形にするプロセスが重要。そこに必要なコミュニケーションや柔軟性を意識するといいと思います。」

Q: この仕事や働き方が向いているのはどんなタイプだと思いますか?
A:T.I.さん
「地道な作業が苦にならない人は強いですね。奇抜なアイデアでコードを書くより、メンテしやすいコツコツした作りが長く使われるシステムには大事なので。でも几帳面すぎて自分を追いつめちゃうと続きにくいんで、うまく気分転換できる人がより合うと思います。」

Q: では、最後に応募を迷っている方へ一言お願いします。
A:T.I.さん
「今いる環境に満足しているならそれもいいと思います。でも、新しい場所に飛び込んで自分を磨くというのも大事ですよ。人はそれぞれ思いがあって、交わらなければ出会わないまま終わる。でも一歩踏み出して、知らない人たちと関わると視野が広がるし、成長のチャンスが増えます。そこから見えてくる可能性がたくさんあるはずです。ぜひ一緒に仕事をしましょう!」

 

T.Iさんインタビューありがとうございました!!

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